ピルとは主に「低用量ピル」経口避妊薬のことです。
ピル(経口避妊薬)は、女性の卵巣でつくられる「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」の2つが主成分。これら女性ホルモンの作用を利用して、妊娠を防ぐ薬です。
また、女性を悩ます生理を簡単かつ安全に生理予定日をコントロールしたり、症状を軽くしたりできるという、ピルには働く女性にとってたくさんのメリットがあります。
多くの日本人女性にとってあまり馴染みがないピルですが、「フランスでは約60%の女性がピルを服用しているというデータもあります。
ピルの効能
ピルには、安全で確実な避妊効果のほかに、次のようなさまざまなメリット”副効用”があります。
- 生理予定日のコントロール
- 月経血量の減少による貧血の改善
- 月経痛の改善
- 子宮内膜症の予防と改善
- 月経前症状(PMS)の軽減
- にきび、多毛などの改善
副作用の心配
服用を開始してしばらくの間、悪心や不正性器出血などのマイナートラブルが発現することがありますが、 それらは2〜3周期でほぼ減少します。
血栓症(血液が固まり、血管を詰まらせる)による死亡の報道がありましたが、特定のピルのみだけでなくすべてのピルにはリスクを伴いますが、決して多いわけではありません。
血栓症リスク
一般女性 | 1-5人/10000人 |
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低用量ピル服用女性 | 3-9人/10000人 |
妊娠中の女性 | 5-20人/10000人 |
分娩〜分娩後12週の女性 | 40-65人/10000人 |
死亡リスク
ピルによる血栓症 | 1人以下/10万人 |
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不慮の事故 | 15人/10万人 |
万が一、ピルを服用していて以下の症状があれば中止してください。すぐに中止すれば大事に至ることはありません。
A | abdominal pain (激しい腹痛) |
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C | chest pain(激しい胸痛、息苦しい、押しつぶされるような痛み) |
H | headache(激しい頭痛) |
E | eye / speech problems(見えにくい所がある、視野が狭い、舌のもつれ、失神、けいれん、意識障害) |
S | severe leg pain(ふくらはぎの痛み・むくみ、握ると痛い、赤くなっている) |
ピルが飲めない方
- 喫煙-35 歳以上で、1 日 15 本を超える喫煙者
- 高血圧
- 心臓病
- 脳卒中
- 片頭痛
- 乳腺疾患
- 糖尿病
- 肝臓疾患
- 長期の安静臥床を要する大手術
- 母乳栄養-分娩後 6 ヶ月以内
- 深部静脈血栓症
以上の疾患を持っている人全てではありません。医師に相談してください。
ピルの種類
当院で取り扱っているピル
マーベロン28 |
(1相性) | (低用量) |
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トリキュラー28 |
(3相性) | (低用量) |
ドロエチ配合錠(ヤーズ配合錠の後発品) | (1相性) | (超低用量) |
ヤーズフレックス配合錠 | (1相性) | (超低用量) |
フリウェルLD |
(1相性) | (低用量) |
フリウェルULD |
(1相性) | (超低用量) |
ピルは病院だけでなく、電話やビデオ通話を使ったオンラインピル処方でも購入できます。購入前には、個々の悩みにあったピルの提案や飲み方の説明が受けられるため、ピルの服用が初めての方にもおすすめです。