低用量ピル1か月の値段は?保険適用の条件や自費の金額も解説


低用量ピル1か月の値段は?保険適用の条件や自費の金額も解説

避妊効果のある低用量ピルの値段は、自費診療で1か月あたり~3,000円が相場です。

治療用の低用量ピルは保険適用されるため、1か月500~1,000円(3割負担)で処方されています。

低用量ピル1か月(28錠)の値段相場

保険適用できるのかは、低用量ピルの種類や服用する目的によって決まります。

経口避妊薬(OC)として作られた避妊用の低用量ピル「トリキュラー」や「マーベロン」は、保険適用外の自費診療です。

一方で、生理痛の緩和などを目的に作られた治療用の低用量ピル(LEP)である「ルナベル」「フリウェル」は、保険適用の対象です。

▼この記事でわかること

  • ピルの保険適用の条件
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  • 保険適用される低用量ピルの種類
    ≫詳細
  • 初診から保険適用のオンライン診療
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  • 避妊用のピルが安いオンライン診療
    ≫詳細

低用量ピル(保険適用外)の値段は1か月2,000〜3,000円

低用量ピルの1か月の値段は、自費診療で2,000〜3,000円が相場です。

ピルの料金以外に、診察代1,000〜2,000円や手数料2,000〜3,000円がかかることもあります。

自費の低用量ピルの値段

なお、産婦人科や婦人科であっても、避妊用の低用量ピルは保険が適用されません。

病院でも全額自己負担のため、避妊用の低用量ピルはどこで買っても〜3,000円です。

≫避妊用ピルが安いオンラインは?

低用量ピル(保険適用)の値段は1か月500~1,000円

低用量ピルが保険適用される場合、1か月(28錠)の値段相場は500~1,000円です。

保険適用の低用量ピルは、自己負担額が3割のため、安い値段で服用を続けられます。

▼【保険適用】低用量ピルの値段相場

ルナベルLD約1,000円/月+手数料
フリウェルLD約500円/月+手数料

なお、保険適用のピルは、院外処方※の場合が多いです。

院外処方とは、病院でもらった処方箋を調剤薬局に提出し、調剤薬局でピルを受け取る仕組みのこと。

調剤薬局でピルを受け取る際には、調剤基本料・薬剤調製料・各種加算料などの手数料がかかります。

保険適用と適用外のピルの違いは避妊目的での服用かどうか

保険適用と適用外の低用量ピルの違いは、服用の目的です。

月経困難症の治療のためにピルを飲む場合は、保険が適用されます。

対して、妊娠を防ぐために低用量ピルを服用する場合は、保険適用外のため全額自己負担です。

保険適用と自費の低用量ピルの違い

国内で薬に保険が適用されるのは、病気や怪我の治療に利用する場合のみ。

「避妊」は病気や怪我に該当しないため、産婦人科や婦人科へ行っても、避妊用の低用量ピルは自費診療です。

低用量ピルが保険適用される条件は月経困難症

低用量ピルが保険適用される条件には、病院で「月経困難症」の診断を受けることが挙げられます。

また、保険診療を行っている病院を受診することや、保険証(マイナンバーカード)の提示も条件の1つです。

低用量ピルの保険適用の条件

痛み止めが必要なほど生理痛がひどい方や、生理中にイライラしたり涙が止まらなくなったりする方は、月経困難症に該当します。

保険適用で低用量ピルの処方を受けられる可能性があるため、「生理痛がひどいので、保険適用のピルが欲しい」と相談してみましょう。

医師から月経困難症の診断を受ければ、受診時の診察代や検査代も保険が適用されます。

月経困難症とは?生理に伴って現れる症状の総称

月経困難症とは、生理に伴って現れる「腹痛」「頭痛」「イライラ」「疲労感」など、不快な症状の総称です。

日本には900万人ほど、月経困難症の女性がいると推測されています。

しかし、症状を我慢して過ごしている方が多く、産婦人科や婦人科で診察・治療を受けている女性は約6%しかいません。

▼月経困難症の症状と問診内容

月経困難症の
症状
・生理痛
・腰痛
・頭痛
・イライラ
・気分の落ち込み
・吐き気
・食欲不振
・下痢
など
診断問診や検査の結果から
総合的に判断
問診・生理痛の強さ
・痛み止めを飲んでいるか
・日常生活に支障があるか
・生理の頻度や期間
・経血量
など

月経困難症は、問診・エコー検査・内診などの結果をもとに診断されます。

生理中に腹痛や腰痛、イライラ感、気分の落ち込みなど、何らかの症状が出ている場合には、月経困難症と診断される可能性が高いです。

問診ではどんな症状に困っているのかや、症状が出るタイミングも尋ねられるので、症状についての記録をつけておくと良いでしょう。

PMS(月経前症候群)の場合ピルは保険適用外

「PMS(月経前症候群)」の場合、低用量ピルは保険適用されません。

ただし、PMSと月経困難症を併発しているのならば、保険適用の対象です。

PMSと月経困難症は、どちらも同じような症状が出ますが、症状が現れる時期に違いがあります。

PMSと月経困難症の違い

PMSは生理前に症状が現れて、生理が始まると症状が落ち着きます。

月経困難症は生理が始まると症状が現れて、生理が終わると症状も消失することが特徴です。

生理中も症状が続いている場合は、月経困難症の診断を受けられる可能性があるため、医師に相談してみましょう。

【一覧】保険適用されるピルの種類と値段

保険適用される低用量ピルには、ルナベルLD・フリウェルLDが挙げられます。

また、超低用量ピルのルナベルULD、フリウェルULD、ジェミーナ、ヤーズ、ヤーズフレックス、ドロエチも保険適用の対象です。

▼保険適用されるピルの種類と1か月の値段相場

低用量ピル超低用量ピル
ルナベルLD
フリウェルLD
ヤーズ
ドロエチ
ヤーズフレックス
ジェミーナ
ルナベルULD
フリウェルULD
500〜1,000円500〜2,500円

保険適用の低用量ピルと超低用量ピルの違いは、女性ホルモンの含有量です。

超低用量ピルは、女性ホルモンの量が少ないため、血栓症などの副作用が起きにくい傾向があります。

保険適用の低用量ピルはルナベルLDとフリウェルLDのみ

保険適用を受けられる低用量ピルは、ルナベルLDとフリウェルLDの2種類です。

どちらの低用量ピルにも、生理の際の腹痛やイライラ感などを改善する効果が期待できます。

ルナベルとフリウェルは同じ成分で作られているため、得られる効果や副作用に違いはありません。

ルナベルLDルナベルLD
約1,000円/1シート
フリウェルLDフリウェルLD
約500円/1シート

フリウェルLDは、ルナベルLDの後発品(ジェネリック医薬品)に該当する薬です。

後発品は、先に作られた薬と同じ成分で製薬されており、開発コストが抑えられています。

抑えたコストが値段に反映されているため、後発品のフリウェルLDは価格がリーズナブルです。

保険適用される低用量ピルも理論上は避妊効果あり

保険適用の低用量ピルも、避妊用ピルと同様に排卵を抑制する作用があるため、理論上は避妊効果が期待できます。

ただし、避妊効果はあくまで理論上見込めるもので、絶対に妊娠しないとは言い切れません。

確実な避妊効果があると言い切れないことから、ルナベルLDとフリウェルLDは、避妊用ピルとしての処方が禁止されています。

保険適用の超低用量ピルは6種類

保険適用の超低用量ピルは、ルナベルULDやジェミーナなど、合計6種類です。

超低用量ピルは種類によって、値段や特徴が大きく異なります。

名称値段※1飲み方
ヤーズ1,500円休薬期間なしで
服用を継続する
ドロエチ850円休薬期間なしで
服用を継続する
ヤーズ
フレックス
2,500円出血するまで服薬
※2
出血したら
4日休薬する
ジェミーナ2,500円21日間の服用と
7日間の休薬を
繰り返す※3
ルナベル
ULD
1,300円21日間の服用と
7日間の休薬を
繰り返す
フリウェル
ULD
500円21日間の服用と
7日間の休薬を
繰り返す

※1:3割負担の目安
※2:最大で120日間
※3:21錠シートの場合

保険適用された場合、超低用量ピルの値段相場は1シート500〜2,500円です。

後発品(ジェネリック医薬品)に該当するドロエチとフリウェルULDは、ほかの超低用量ピルよりも安い傾向があります。

≫超低用量ピルの種類と特徴を見る

保険適用されない低用量ピルの種類(避妊目的)

保険適用されない低用量ピルには、トリキュラー、ラベルフィーユ、アンジュ、マーベロン、ファボワールが挙げられます。

5種類の低用量ピルはどれも、99%以上の避妊効果が期待できる「経口避妊薬(OC)」です。

▼経口避妊薬(OC)の種類

トリキュラートリキュラー
ラベルフィーユラベルフィーユ
アンジュアンジュ
マーベロンマーベロン
ファボワールファボワール

なお、避妊用の低用量ピルにも、副効果で生理痛の改善が期待できます。

しかし、あくまで「避妊薬」に分類される薬であるため、治療目的で服用する場合でも、保険は適用されません。

避妊用の低用量ピルはどこで買っても値段が同程度なので、オンライン診療での処方が人気です。

▼【低用量ピル】オンライン診療の料金表

名称1シート
ずつ決済
まとめ買い
スマルナ
≫詳細を見る
2,980円2,380円
メデリピル
≫詳細を見る
2,970円2,750円
エニピル
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2,563円1,848円
クリニック
フォア
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2,783円2,255円
マイピル
オンライン
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2,959円
東京オンライン
クリニック
≫詳細を見る
1,890円1,890円

※1シートずつ決済のプランには定期便を含みます/税込み/自由診療

低用量ピルの保険適用は「保険医療機関」での処方も条件

低用量ピルを保険適用で処方してもらうためには、「保険医療機関」を受診する必要があります。

保険医療機関とは、厚生労働大臣の指定を受けた医療機関のことです。

日本には、約10万院※の保健医療機関があります。

※参考:医療施設静態調査

保険医療機関保険診療を受けられる
保険証が必要
その他の病院自費診療を受けられる
保健証は不要

なお、保険医療機関である病院であれば、オンラインでも保険診療を受けることが可能です。

ほとんどの産婦人科や婦人科はピルが保険適用

産婦人科や婦人科の多くは保険医療機関に該当するため、保険適用で低用量ピルや超低用量ピルの処方が受けられます。

そのため、何科へ行くべきか迷ったら、産婦人科か婦人科を選択するのがおすすめです。

なお、保険診療に対応する産婦人科や婦人科は、各厚生局のホームページで検索できます。

低用量ピル・超低用量ピルの保険適用はオンラインでも可能

低用量ピル・超低用量ピルは、一部のオンライン診療でも保険適用されます。

たとえば、東京オンラインクリニック>>では、ドロエチやルナベルULDなどの処方が初診から保険適用です。

▼東京オンラインクリニックの料金

ヤーズ2,300円/1シート
ドロエチ1,290円/1シート
ヤーズフレックス2,890円/1シート
ルナベルULD1,730円/1シート
フリウェルULD1,040円/1シート

※3割負担の目安

オンライン診療で保険適用のピルを入手するには、通院して保険診療を受ける場合と同様に、月経困難症の診断が必要です。

つまり、オンライン診療でピルが保険適用されるのかは、医師の判断に委ねられます。

また、健康保険を適用させる場合には、オンライン診療でも保険証の提示が必要なので、用意しておきましょう。

低用量ピルは市販品がなく薬局では購入できない

低用量ピルには市販品がないため、薬局やドラッグストア、楽天市場やAmazonでは販売されていません。

入手可能病院
オンライン診療
入手不可薬局
ドラッグストア
楽天市場
Amazonなど

市販品がないのは、ピルが「処方薬(医療用医薬品)」に該当するためです。

処方薬は作用が強く、個人の判断で使用するのは危険なので、医師が使用の可否を判断し処方を行います。

低用量ピルの値段や保険適用にする方法に関するQ&A

ヤーズフレックスの値段は保険適用/自費でそれぞれいくら?

ヤーズフレックスの値段は、保険適用で2,500円、自費の場合は10,000円が目安の金額です。

ヤーズフレックスの料金 保険適用と自費

3割負担で処方を受けるには、月経困難症や子宮内膜症の診断を受ける必要があります。

痛み止めが必要なほど生理痛がひどい方は、月経困難症に該当する確率が高いです。

「月経困難症かも?」と思ったら、医師に相談してみましょう。

月経困難症のチェックリスト

ピルが高いのはなぜ?

避妊用ピルの値段が高いのは、保険適用外であることが理由です。

日本では、病気や怪我の治療に使う薬のみが保険適用されます。

「避妊」は病気や怪我に該当しないため、保険が適用されません。

ピルが高いのはなぜ

保険が適用される薬は、自己負担額が3割なので、安価に入手できます。

一方で、避妊用のピルのように保険適用外の薬は全額が自己負担なので、費用が高くなりがちです。

少しでも安くピル処方を受けたいなら、診察代や送料のかからない産婦人科やオンライン診療を選びましょう。

避妊目的で飲むピルの値段相場はいくら?

避妊を目的に服用するピルの値段相場は、1か月あたり2千〜3千円です。

病院によっては、ピル処方時に診察代がかかることもあります。

▼避妊目的で飲むピルの値段相場

トリキュラー2,500〜3,000円/28日分
ラベルフィーユ2,000〜3,000円/28日分
アンジュ2,500〜3,000円/28日分
マーベロン2,500〜3,000円/28日分
ファボワール2,000〜3,000円/28日分

なお、産婦人科や婦人科を受診しても、OC(経口避妊薬)に分類される低用量ピルは保険が適用されません。

どこで買っても自費診療なので、病院とオンラインで、値段は同程度です。

保険適用でピル処方を受けるデメリットは?

保険適用でピル処方を受ける場合のデメリットは、家族に受診歴を知られる可能性があることです。

保険証を使って受けた診察や薬の処方は、年に1〜2回ほど自宅に郵送される「医療費のお知らせ」に記載されます。

医療費のお知らせに記載されるのは、受診日、受診した医療機関、支払金額などです。

▼医療費のお知らせの詳細

発行日年に1〜2回
記載内容受診日
受診した医療機関
支払金額
受診した年月など

また、一度に3シートまでしかピル処方を受けられないのも、保険適用のデメリット。

自費診療であれば、1回に6~12シートのピルを、まとめて処方してもらえます。

※医療機関によって、一度に処方されるピルのシート数には違いがあります。

低用量ピルを保険適用にするには?

低用量ピルを保険適用するには、月経困難症(げっけいこんなんしょう)の診断を受ける必要があります。

月経困難症は、生理痛を始めとする月経時に現れる不快な症状の総称です。

医師は、問診やエコー検査、内診などの結果を総合的に判断し、月経困難症の診断を下しています。

低用量ピルを保険適用にするには

薬局で売られている低用量ピルの値段は?

薬局で受け取る低用量ピルの値段は、1シートあたり500〜1,000円が目安です。

なお、薬局でピルの処方を受ける場合は、薬代だけでなく調剤基本料や薬剤調製料などの手数料がかかります。

薬局で低用量ピルを受け取るためには、産婦人科や婦人科を受診し、処方箋をもらう必要があります。

アフターピルの値段は?

アフターピルの値段は​​、1回あたり10,000円が目安です。

種類によって価格は異なり、性行為から72時間までに服用が必要なアフターピルは6,000〜15,000円で入手できます。

一方で、性行為から120時間まで効果が見込めるアフターピルの値段は、10,000〜20,000円が目安です。

72時間アフターピル
ノルレボ/レボノルゲストレル
6,000〜
15,000円
120時間アフターピル
エラワン/エラ
10,000〜
20,000円

アフターピルは、各クリニックが独自の基準で値段を設定しています。

そのため、値段相場に幅があるのです。

低用量ピルは40代でも飲める?リスクはある?

低用量ピルは、閉経まで服用できるため、40代でも生理がきている方なら飲めます。

ただし、40代になると、低用量ピルの服用で心筋梗塞などの心血管系障害のリスクが上がる点には注意が必要です。

40代以上でBMI30以上の肥満、高血圧、脂質異常症、ヘビースモーカーに該当する場合は、特にリスクが高いとされます。

低用量ピルは40代でも飲める?

参考:加齢と血栓傾向 ※慎重投与

近年は、40代以上の方の避妊・月経困難症の治療薬として、ミニピルが人気です。

ミニピルは、血液凝固作用のある成分を含んでいないため、心血管系障害のリスクが高い方でも服用できます。

妊娠を防ぐ効果のほか、月経困難症の治療にも利用できるため、選択肢の1つとして知っておくと良いでしょう。

▼ミニピルの詳細

効果避妊
月経困難症
副作用悪心/嘔吐/下痢/腹痛など
値段3,000〜4,000円/1シート
種類ノアルテン
セラゼッタ
販売産婦人科
婦人科
オンライン診療

■ピルに関する注意事項

低用量ピルには、血栓症のほか、悪心・腹痛・頭痛・不正出血などの副作用があります。

■未承認薬に関する表示

・未承認医薬品等(異なる目的での使用)
経口避妊薬は、生理痛の治療目的での使用が日本で承認されていません。重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
・入手経路等
国内医薬品販売代理店経由
・国内の承認医薬品等の有無
国内で生理痛の改善を目的に飲める医薬品には、ヤーズフレックスなどが挙げられます。
・諸外国における安全性等に係る情報
悪心・腹痛・頭痛・不正出血などの副作用や血栓症のリスクがあります。