ピル服用中に妊娠した人はいる?妊娠確率や初期症状・検査薬が使える時期を解説


ピル服用中に妊娠した人はいる?妊娠確率や初期症状・検査薬が使える時期を解説

低用量ピルの避妊率は99%以上、正しく服用すれば妊娠する可能性は1%未満です。

ただし、妊娠を防げるのは、毎日決まった時間に飲み忘れなく服用できた場合のみ。

ピル服用中の方の中には、飲み忘れなどにより避妊効果が落ちてしまい、妊娠した人もいます。

ピル服用中 妊娠

もしも、休薬期間に生理がこなかったり、出血量が極端に少ない場合は、「妊娠検査薬」を使うのがおすすめです。

妊娠検査薬は1,000円程度、ドラッグストアやAmazonなどで販売されています。

また、ピル処方を受けている産婦人科や婦人科で相談すれば、その場で検査を受けられますよ。

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ピル服用中に妊娠した人はいる?妊娠確率は0.3%

低用量ピルの妊娠確率は0.3%(1000人に3人)、ピル服用中に妊娠する可能性はほとんどありません。

また、飲み忘れなく服用した場合、休薬期間も避妊効果は維持されます。

▼【避妊失敗例】ピル服用中に妊娠する原因5つ

【種類別】ピルの妊娠確率

ピルは種類によって、服用中に妊娠する確率が異なります。

ピルの妊娠確率

低用量ピルは、99%以上の高い避妊効果が期待できることから「避妊用ピル」とも呼ばれます。

一方、超低用量ピルは服用中にも妊娠するケースがよくあるため、避妊目的で服用するのには適していません。

低用量ピルの妊娠確率

どの低用量ピルも、服用中の妊娠確率は1%未満です。

現在、国内で使われている低用量ピルは8種類あり、それぞれ避妊に成功する確率(パール指数)は少しずつ異なります。

低用量ピルパール指数
トリキュラー
ラベルフィーユ
アンジュ
0.073
マーベロン
ファボワール
0.085
フリウェルLD
ルナベルLD
0.190
パール指数とは

パール指数が高ければ妊娠しやすく、低ければ妊娠しにくいことを表します。

低用量ピルの中でもパール指数が低く妊娠しにくいのは、トリキュラー/ラベルフィーユ/アンジュです。

トリキュラー(アンジュ・ラベルフィーユ)の妊娠確率

トリキュラー(アンジュ・ラベルフィーユ)の妊娠確率

トリキュラー(同成分のラベルフィーユとアンジュ)のパール指数は0.073、ほかの低用量ピルよりも妊娠確率が低い低用量ピルです。

なお、トリキュラーは国内で流通しているピルの中でも歴史が長く、1999年ころから避妊のために利用されています。

利用実績が長いのは、高い避妊効果が期待でき、医師から信頼されているからこそです。

マーベロン(ファボワール)の妊娠確率

マーベロン(ファボワール)の妊娠確率

「マーベロン」「ファボワール」の服用中に妊娠する確率は、100人中1人未満です。

正しく服用していれば、避妊率は99%以上。

また、各錠剤に含まれるホルモン量が一定なので、飲む順番を間違えても避妊効果に影響を与えないことも特徴です。

フリウェルLD(ルナベルLD)の妊娠確率

フリウェルLD(ルナベルLD)の妊娠確率

※避妊目的では処方されないピルです

低用量ピルのフリウェルLD(ルナベルLD)のパール指数は0.19、避妊用ピルではありませんが、一定の避妊効果が期待できます。

フリウェルLDとルナベルLDは、生理に伴う不調を改善する目的で開発されたピルです。

そのため、理論的には避妊効果が期待できても、避妊目的では処方されません。

超低用量ピルの妊娠確率

超低用量ピルは、低用量ピルと同じ成分で作られているため、理論上は妊娠を防ぐことが可能です。

しかし、有効成分の量は少ないため、高い避妊効果は期待できません。

超低用量ピルパール指数
フリウェルULD
ルナベルULD
2.98
(100人中約3人)
ヤーズ
ドロエチ
ヤーズフレックス
0.41〜0.8
(100人中約1人)

※パール指数:低用量ピル服用中の女性100人が1年間に妊娠する件数

参考:低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン

フリウェルULD(ルナベルULD)の妊娠確率

フリウェルULD(ルナベルULD)の妊娠確率

※避妊目的では処方されないピルです

超低用量ピルのフリウェルULDはパール指数が2.98、服用していても100人中3人程度は妊娠してしまいます。

同成分のルナベルULDも、妊娠確率は同程度です。

ヤーズ(ドロエチ・ヤーズフレックス)の妊娠確率

ヤーズ(ドロエチ・ヤーズフレックス)の妊娠確率

※避妊目的では処方されないピルです

ヤーズのパール指数は、1.6〜2.0です。

同じ成分の「ドロエチ」「ヤーズフレックス」も、同程度の避妊効果が期待できます。

【避妊失敗例】ピル服用中に妊娠した人の特徴や原因

低用量ピルの避妊率は99%以上、正しく服用していれば妊娠する可能性はほとんどありません。

しかし、飲み忘れが頻繁にあったり、嘔吐や下痢が続いたりすると避妊効果は低下または消失。

ピルを飲んでいても、妊娠してしまうことがあります。

ピル服用中 妊娠した原因

飲み忘れにより、ピル服用の間隔が48時間以上空いてしまうと、避妊効果は消失します。

再び避妊効果を得るまでには、飲み忘れなく1週間ピルの服用を継続することが必要です。

ピルの飲み忘れが続いた

低用量ピルの飲み忘れが続くと、排卵が再開して妊娠してしまうことがあります。

飲み忘れが1錠の場合、気づいた時点ですぐに昨日分のピルを飲めば、避妊率が大きく低下することはありません。

しかし、2錠(2日)以上の飲み忘れがあると、妊娠する確率が大幅に上がります。

飲み忘れ妊娠確率
なし0.3%
あり9%

飲み忘れにより、ピル服用の間隔が48時間以上空いてしまうと、避妊効果は消失します。

再び避妊効果を得るまでには、飲み忘れなく1週間ピルの服用を継続することが必要です。

ピルの避妊効果が出る前の性交渉で避妊しなかった(中出しなど)

ピルの避妊効果が出る前に性交渉があると、妊娠してしまうことがあります。

特に、コンドームを使用していない性行為があった場合、妊娠の可能性は高いです。

▼ピルの避妊効果が期待できる時期

生理初日から
ピル服用開始
生理初日から
その他の期間に
服用開始
ピルを1週間
連続で飲んだ後から

避妊効果が出るタイミングは、ピルを飲み始めた時期によって異なることが特徴です。

生理の初日以外にピルの服用を始めた場合、避妊効果が出るまでには1週間程かかります。

避妊用ピルを服用していなかった

避妊用ピルでない「超低用量ピル」は避妊用の薬ではないため、服用していても妊娠が防げないケースがあります。

ピル 避妊効果ないもの

※正しく服用した場合

パール指数は、ピルを飲んでいる100名が1年間に妊娠する確率のこと、数値が高いほど妊娠する可能性も高いことを示します。

パール指数を見ると、低用量ピル(避妊用ピル)は妊娠の可能性がほとんどありません。

しかし、超低用量ピルは正しく服用していても、妊娠する人が一定数いることが分かります。

ピル服用後に嘔吐や下痢した

低用量ピル服用後、2~3時間以内に嘔吐や下痢をすると、ピルの成分が吸収されず、避妊効果が得られません。

もしも嘔吐してしまったら、吐き気が治まってから追加で1錠を服用しましょう。

また、下痢が続いている場合もピルの成分がうまく吸収されず、避妊効果を得られないことがあります。

ピルの飲む順番を間違えた

カラフルな錠剤のピルは服用する錠剤の順番が決められており、順番を間違えると、避妊効果が落ちて妊娠することがあります。

飲む順番にルールがあるのは、錠剤の色によって、配合される有効成分(ホルモン)の量が異なるためです。

ピル服用中 妊娠した原因

なお、すべて同じ色の錠剤のピル(マーベロンやフリウェル)は、服用の順番が決められていません。

ルールがあるのは、トリキュラー/ラベルフィーユ/アンジュなど、カラフルな錠剤のピルのみです。

▶ピルの飲み方を詳しく見る

ピル服用中に妊娠したかも?確認する方法と対処法

ピル服用中、休薬期間に生理がこなければ妊娠を疑い、妊娠検査薬を使用しましょう。

▼「妊娠検査」が必要な人

  1. コンドームなしでの性行為があった
  2. 休薬期間中ずっと生理がこない
  3. 生理はきたが出血量が極端に少ない

なお、妊娠検査薬は休薬期間の最終日まで生理がなかった場合や、出血量が極端に少ない場合に使用します。

どちらの場合でも、検査薬が使えるのは休薬期間が過ぎてからです。

検査のタイミングが早すぎると、正しい判定結果が得られません。

【妊娠の症状】生理がこない・腹痛や腹部の違和感

ピル服用中に妊娠している場合、休薬期間になっても出血がなかったり、出血量が極端に少なかったりします。

出血があっても、トイレットペーパーに付着する程度の場合は妊娠を疑いましょう。

また、腹痛や腹部の違和感も、よくある妊娠の初期症状です。

▼妊娠の初期症状

  • 着床出血
  • 腹痛
  • 腹部の違和感
  • 眠気
  • だるさ

着床出血とは、妊娠が成立したときに起こる少量の出血のことです。

生理と異なり、出血量が極端に少ない特徴があります。

妊娠の初期症状は、性行為から1~2週間以上経ってから発現することが多いです。

【確認方法】ピル服用中でも妊娠検査薬が使える

「妊娠したかも?」と思ったら、ドラッグストアなどで販売されている妊娠検査薬を使用しましょう。

妊娠検査薬とは、専用のスティックに尿をかけて、妊娠の有無を確認する道具です。

なお、ピルの成分が妊娠検査の判定結果に影響を与えることはなく、ピルを飲んでいる方でも問題なく妊娠検査薬を使えます。

妊娠検査薬の購入場所・使える時期・値段

販売店ドラッグストア・薬局
Amazon・楽天などインターネット販売
使用時期休薬期間の7日目以降
値段1,000円ほど

妊娠検査薬は、ドラッグストアや薬局などで販売されています。

店舗で購入するのが恥ずかしい場合は、通販サイトを利用するのがおすすめです。

【対処法】陽性なら早めに病院へ・陰性ならピルの継続

妊娠検査薬で「陽性」判定が出たら、妊娠している可能性が高いです。

妊娠検査薬

もしも陽性判定が出た場合は、検査日からピルの服用を中止し、できるだけ早く産婦人科を受診しましょう。

望まない妊娠であったとしても、産婦人科の医師に怒られることはありません。

産む・産まないの選択に関わらず、まずは受診し、今後の対応について相談することが大切です。

妊娠初期にピルを飲んでしまった場合でも胎児には影響しない

妊娠に気づかずピルを服用してしまっても、胎児に奇形や障害などの悪影響はないと言われています。

妊娠初期においては妊娠が確認されず, OC が服用されている可能性もあるが, 胎児への催奇形性はほとんど知られていない.

引用:低用量ピルガイドライン

しかし、ピル服用が胎児にとって100%安全だとは言い切れません。

そのため、妊娠がわかったらすぐにピル服用を中止しましょう。

ピル服用中に妊娠した・妊娠確率に関するQ&A

Q.ピル服用中に妊娠したかも?知恵袋に体験談はある?

ピル服用中に生理がこなかったり出血量が少なかったりなどで不安になり、Yahoo!知恵袋で相談する方はたくさんいます。

また、ピルの避妊効果に関する質問も、数多く投稿されていますよ。

ピル服用中に妊娠したかも?知恵袋に体験談はある?

引用:Yahoo!知恵袋1/Yahoo!知恵袋2

Q.ピルを飲んでいると妊娠に気づかない?

ピルを飲んでいると生理の際の出血量が減ったり、生理が止まったりすることがあるため、妊娠に気付かないケースがあります。

休薬期間に出血がなかったり、出血量が極端に少なかったりする場合には、妊娠検査を受けてみましょう。

Q.妊娠を希望する場合、低用量ピルをやめるタイミングは?

妊娠を希望する場合、妊活の3〜4か月前のタイミングで、低用量ピルを中止しましょう。

ピルをやめてから排卵が再開し、妊娠できる状態に戻るまでには数週間〜3か月ほどかかります。

排卵の再開までには時間がかかるため、できるだけ早いタイミングでピル服用を中止するのがおすすめです。

Q.ピル服用中、妊娠したい場合はシートを途中でやめていい?

妊娠を希望する場合は、今飲んでいるシートのピルをすべて飲み終えてから、ピルを中止しましょう。

シートの最後までピルを飲み切る必要があるのは、ホルモンバランスを安定させるためです。

途中でピルをやめると、ホルモバランスが不安定になるケースがあります。

Q.フリウェルLDとULDでは妊娠確率は違うの?

フリウェルLD(低用量ピル)とフリウェルULD(超低用量ピル)では、妊娠確率が異なります。

名称パール指数
フリウェルLD
(低用量ピル)
0.19
フリウェルULD
(超低用量ピル)
2.98

※パール指数:低用量ピルで避妊した100人の女性が1年間に妊娠する件数

パール指数は、数値が高いほど妊娠しやすいことを指します。

つまり、パール指数の高いフリウェルULDの方が、フリウェルLDよりも妊娠する可能性が高いです。

なお、フリウェルは生理に伴う不調を改善するピルのため、避妊目的では処方を受けられません。

Q.ピルの休薬期間中は妊娠しやすい?

正しくピルを服用している場合、休薬期間に妊娠することはほとんどありません。

休薬期間の避妊率は、実薬を飲んでいる期間と同じ99%以上です。

ただし、休薬期間の前後にピルの飲み忘れがあると、排卵が再開して妊娠してしまうことがあります。

Q.ピルを長期服用しても不妊にはならない?

低用量ピルを長期(2年以上)服用しても不妊にはならないことが、さまざまな研究で明らかになっています。

ピル服用経験のある女性が妊娠する確率は、ピル服用経験のない女性が妊娠する確率とほぼ同じです。

いつか妊娠したいと思っている女性でも、ピルは問題なく服用できます。

Q.ピルの服用中止直後は妊娠しやすい?

ピルの服用中止直後は、排卵が止まっており妊娠しにくい状態です。

排卵が再開するのは、ピルをやめて数週間〜3か月ほど経ってから。

なお、排卵の再開時期には個人差があります。

▼ピルをやめてからの期間と妊娠率

1か月目21.1%
3か月目45.7%  
1年後79.4%

ピルを中止してからの妊娠率は、1か月目で約20%、3か月目で約50%です。

妊娠を望む女性の約8割が、ピルの服用を辞めてから1年以内に妊娠していることが分かります。