【一覧】低用量ピル8種類はそれぞれどんな人におすすめ?特徴や超低用量ピルやミニピルとの違いを解説


日本では、現在8種類の低用量ピルが流通しています。

それぞれの違いは、現れやすい効果・副作用、値段、処方が受けられる場所などです。

▼【一覧表】ピルの種類

ピルによって効果や副作用に違いがあるのは、含まれている成分の種類や量が異なるため。

体に合った成分は、ひとりひとり異なります。

合う・合わないは服用を始めなければわからないため、まずは気になったピルから試してみるのも1つの手です。

ピルはどんな薬?服用のメリット

ピル(低用量ピル)は、妊娠を防ぐために服用する医薬品です。

最近では、生理痛PMSの治療のために使われるピルも登場しています。

▼ピルを服用するメリット

  • 望まない妊娠を99%防止
  • 生理痛を軽減
  • 生理前のイライラや憂鬱さを解消
  • 生理前の倦怠感や肌荒れを改善
  • 生理の周期が一定になる

ピルの成分は、2種類の女性ホルモンです。

外部から女性ホルモンを取り入れると、体内で分泌される女性ホルモンの量が調整されます。

その結果、排卵が抑えられて妊娠を防げたり、ホルモンバランスの乱れによる心身の不調を改善したりできるのです。

【種類】悩み別のおすすめ低用量ピルと選び方

低用量ピルは、悩みに合わせて選ぶのがおすすめです。

避妊目的で飲める低用量ピル

避妊目的で服用できる低用量ピルは、「トリキュラー」「アンジュ」「ラベルフィーユ」「マーベロン」「ファボワール」「シンフェーズ」の6種類です。

どのピルにも、99%以上の避妊効果が期待できます。

なお、避妊用ピル中でも人気の商品は、販売実績の長い「トリキュラー」です。

▼人気のピル「トリキュラー」とは?(写真入り図解)

  • 1979年から使われる歴史のあるピル
  • 避妊率は99.7%と高い
  • 生理不順が治りやすい
  • 不正出血が起こりにくい
  • 月額2,000〜3,000円程度

トリキュラーは販売実績が長く、医師からの信頼も厚い歴史のある避妊用ピルです。

取り扱いクリニックの数も多いため、入手しやすい点も魅力。

最近では女性がアクセスしやすいよう、オンラインでトリキュラーの処方を行うクリニックも増えています。

PMSや生理痛がつらい人向けの低用量ピル

PMSや生理痛がつらい人には、低用量ピルの「フリウェルLD」がおすすめです。

フリウェルLDは、生理に伴う心身の不調を改善する目的で開発された治療専用のピル。

≫保険適用の対象のため、安く購入できる点も魅力です。

ニキビ治療に使える低用量ピル

ニキビや肌荒れの改善のために低用量ピルを服用したい場合は、「マーベロン」が適しています。

マーベロンは、男性ホルモンの過剰な分泌を抑える副効果が期待できる低用量ピル。

男性ホルモンの量が減ると、ニキビの原因となる「皮脂の過剰分泌」が起こりにくくなるため、ニキビができにくくなります。

保険適用の安い低用量ピル

保険適用の安い低用量ピルには、「フリウェルLD」が挙げられます。

フリウェルLDは、生理に伴い起こる下腹部痛・情緒不安定などの症状に悩んでいる人に処方される薬です。

治療を目的として処方される低用量ピルは、保険が適用されるため、月額1,000円以下で服用を続けられます。

血栓症などの副作用が不安な人向けのピル

血栓症などの副作用が不安な人には、超低用量ピルがおすすめです。

超低用量ピルは、生理に伴う不調を改善するために服用します。

血栓症の原因となる成分(卵胞ホルモン)の配合量が、低用量ピルよりも少ない点が特徴です。

▼超低用量のピルの特徴

メリット・血栓症の原因成分が少ない
・保険適用で~月額2,500円
・生理に伴う不調を軽減する
デメリット・避妊目的で服用できない
・不正出血が起こりやすい

超低用量ピルは低用量ピルと同様に、産婦人科や婦人科で処方を受けられます。

▼超低用量ピルの種類を見る

【一覧】低用量ピルは8種類:それぞれの効果と値段の目安

国内で流通している低用量ピルは、現在8種類のみです。

それぞれ、配合される成分の種類や割合が異なるため、服用できる目的・現れやすい副作用に違いがあります。

※悪心とは気持ち悪さや吐き気のこと

なお、「ジェネリック医薬品」とは、同じ成分で作られた別製品のこと。

包装のデザインは異なりますが、期待できる効果や発現しやすい副作用は同じです。

ルナベルLD/フリウェルLD(第1世代)

▼ルナベルLD/フリウェルLDの特徴

  • 生理に伴う不調を緩和
  • 避妊目的では服用できない
  • 保険適用で月額1,000円以下
  • 副作用が起こりやすい

ルナベルLD(ジェネリック医薬品:フリウェルLD)は、生理に伴う不調に悩んでいる人に処方されます。

服用するとピルの作用で生理が軽くなるため、生理痛・気持ち悪さ・情緒不安定などの症状が緩和されますよ。

なお、避妊目的で服用できないデメリットがありますが、保険適用のため、価格は月額1,000円以下とリーズナブルです。

ルナベルLD月額950円
フリウェルLD月額470円

※3割負担の価格

シンフェーズ(第1世代)

▼シンフェーズの特徴

  • 避妊用の低用量ピル
  • 飲み始めは日曜日に固定
  • 週末に生理が重なりにくい
  • 月額2,000〜3,000円(保険適用外)

シンフェーズは、避妊目的で服用される低用量ピルです。

ほかの低用量ピルは服用を始める曜日が決められていませんが、シンフェーズは日曜日から服用するルールがあります。

飲みはじめの曜日が決まっているピルは、飲み忘れに気づきやすいことがポイントです。

トリキュラー/ラベルフィーユ/アンジュ(第2世代)

▼トリキュラーの特徴

  • 避妊効果が高い
  • 生理不順が改善しやすい
  • 知名度が高く服用者が多い
  • 月額2,000〜3,000円(保険適用外)

トリキュラーは、避妊効果が高いことが特徴の低用量ピルです。

避妊効果の高さは医師からも評価されており、販売開始〜現在に至るまで90か国以上で取り扱われています。

なお、同成分の低用量ピル「ラベルフィーユ」「アンジュ」にも、同等の避妊効果が期待できますよ。

マーベロン/ファボワール(第3世代)

▼マーベロンの特徴

  • 避妊用の低用量ピル
  • ニキビ治療にも利用される
  • 悪心や不正出血が起こりにくい
  • 月額2,000〜3,000円(保険適用外)

マーベロン(ジェネリック医薬品:ファボワール)は、避妊用の低用量ピルですが、ニキビ治療にも利用されています。

ニキビ治療にも利用されるのは、皮脂の過剰分泌を引き起こす「男性ホルモン作用」を抑制する効果に優れているためです。

ピルを飲んで皮脂の過剰分泌が落ち着けば、毛穴が詰まりにくくなり、ニキビや肌荒れが起きにくくなります。

超低用量ピルの種類一覧:低用量ピルとの違いは?

日本では「ヤーズ」「ヤーズフレックス」「フリウェルULD」など、合計6種類の超低用量ピルが流通しています。

超低用量ピルと低用量ピルの違いは、含まれている有効成分(卵胞ホルモン)の量や服用する目的です。

分類
(有効成分の量)
商品名
低用量ピル
(50㎍以下)
・シンフェーズ
・トリキュラー
・マーベロンなど
超低用量ピル
(30㎍以下)
・ヤーズ
・ドロエチ
・ヤーズフレックス
・ジェミーナ
・ルナベルULD
・フリウェルULD

超低用量ピルは、血栓症の原因となる成分の量が、低用量ピルよりも少ないことが特徴です。

成分の量は少なくても、低用量ピルと同様に、生理に伴う不調を改善する効果が期待できます。

ただし避妊効果は弱いため、国内では避妊目的での服用が認められていません。

【血栓症とは?】
血の塊が血管内に詰まる症状のこと。血管に塊が詰まると、心筋梗塞や脳梗塞を起こすこともある。

ヤーズ(ドロエチ)

▼ヤーズ(ドロエチ)の特徴

  • 生理に伴う不調を軽減
  • 副作用のむくみが起こりにくい
  • 保険適用で月額1,500円以下

ヤーズ(ジェネリック医薬品:ドロエチ)は、ほかのピルよりも「休薬期間(偽薬期間)」が短い超低用量ピルです。

休薬期間(偽薬期間)とは、有効成分入りのピルの服用をお休みする期間のこと。

休薬期間(偽薬期間)には、生理のような出血が2〜5日ほど続きます。

分類休薬期間
(偽薬期間)
ヤーズ(ドロエチ)4日
その他のピル7日

ピルを休薬期間には、一時的に女性ホルモンが変動するため、腹痛やむくみなどの症状が出ることもあります。

休薬期間の短いヤーズ(ドロエチ)なら、一時的な女性ホルモンの変動が起こりにくいため、休薬期間中の腹痛やむくみなどの症状に悩まされにくいのです。

ヤーズフレックス

▼ヤーズフレックスの特徴

  • 生理に伴う不調を軽減
  • 生理の頻度を減らせる
  • 副作用のむくみが起こりにくい
  • 保険適用で月額2,500円ほど

ヤーズフレックスは、生理の頻度を減らせる点が特徴の超低用量ピルです。

その他のピルの服用中は1か月に1回のペースで生理がきますが、ヤーズフレックスは4か月に1回

生理の頻度が減らせるのは、連続で120日まで服用できるためです。

※連続服用の日数によって生理の頻度は変わります

生理が煩わしいと感じている方に、ヤーズフレックスは人気があります。

生理の頻度が減れば、腹痛や頭痛などの症状にも悩まされにくくなりますよ。

ジェミーナ

▼ジェミーナの特徴

  • 生理に伴う不調を改善
  • 血栓症リスクを軽減
  • 発売されたばがりの超低用量ピル
  • 保険適用で月額2,500円ほど

ジェミーナは2018年に発売が始まったばかりの、新しい超低用量ピルです。

「長く服用しても血栓症が起こりにくい」ことを重視して開発されており、副作用が不安な方でも服用しやすいと注目が集まっています。

ルナベルULD(フリウェルULD)

▼ルナベルULD(フリウェルULD)の特徴

  • 生理に伴う不調を改善
  • 血栓症の原因となる成分量が少ない
  • 副作用の不正出血が起こりやすい
  • 保険適用で月額1,000円以下

ルナベルULD(ジェネリック医薬品:フリウェルULD)は、低用量ピルと同じ飲み方をするタイプの超低用量ピルです。

飲み方は同じですが、血栓症の原因となる成分の配合量が少なく、副作用が不安な方に処方されます。

低用量ピル以外にもある?日本で使われる避妊薬やピルの種類一覧

日本で使われているピルは、合計5種類です。

▼ピルの種類

種類効果
≫低用量ピル・避妊
・生理に伴う不調の軽減
≫超低用量ピル・生理に伴う不調の軽減
≫ミニピル・避妊
・生理に伴う不調の軽減
≫アフターピル・緊急避妊
≫中用量ピル・生理日の移動
・生理に伴う不調の軽減

ピルは種類によって、期待できる効果が異なります。

ミニピルの種類と効果

ミニピルは、避妊や生理に伴う不調を改善する目的で服用するピルのことです。

血栓症の原因となる成分が含まれていない点が、低用量ピルや超低用量ピルと異なるポイント。

40代以降の方は血栓症になりやすいため、低用量ピル・超低用量ピルが飲めませんが、ミニピルなら服用できます。

効果避妊生理に伴う不調の改善
種類・ノアルテン
・ディナゲスト
・セラゼッタなど
副作用不正出血、頭痛悪心、嘔吐など
料金月額3,000円
特徴・血栓症の原因成分が入っていない
・40代以降の女性も服用可能
・取り扱う病院は少ない

アフターピルの種類と効果

アフターピルは、避妊に失敗したときに服用する医薬品です。

緊急避妊薬と呼ばれ、性行為から24時間以内に服用すると99%の避妊効果が期待できます。

効果緊急避妊
種類ノルレボ
レボノルゲストレルなど
副作用不正出血、頭痛悪心、嘔吐など
▶詳しく見る
料金1回10,000円
▶販売店を見る

中用量ピルの種類と効果

中用量ピルは、生理の時期を早めたり遅らせたりする目的で服用されるピルです。

また、避妊や生理に伴う不調の改善、子宮内膜症の治療を目的に服用されることもあります。

効果≫生理日の移動
生理に伴う不調の改善
子宮内膜症の治療など
種類プラノバール
副作用不正出血、頭痛悪心、
嘔吐、血栓症など
▶詳しく見る
料金1シート4,000〜5,000円

どれがいい?ピルの種類や名前に関するよくある質問

Q.低用量ピルとは?成分は?どういう仕組み?

低用量ピルとは、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)で構成された経口避妊薬です。

女性ホルモンの働きにより、排卵の抑制・受精卵着床の抑制・精子の侵入の抑制が起こることで、避妊効果を得られます。

なお、低用量ピルは避妊だけではなく、生理痛をはじめとする月経に伴う不調を改善する目的でも服用されますよ。

Q.ピルの種類の選び方は?どれがいい?

ピルを選ぶときは、「服用目的」「副効果」などに注目してみましょう。

▼おすすめの人気ピル

避妊目的で
服用したい
▶トリキュラーがおすすめ
生理に伴う
不調がつらい
▶フリウェルLDがおすすめ
生理の頻度を
減らしたい
▶ヤーズフレックス
がおすすめ

Q.マーベロンとトリキュラーの違いは?

マーベロンとトリキュラーの違いは、配合されている成分の種類です。

成分が異なると、期待しやすい副効果や、副作用の起こりやすさが変わります。

▼マーベロンとトリキュラーの特徴

マーベロン・ニキビの改善が見込める
・副作用が起こりにくい
トリキュラー・避妊効果が高い
・生理不順が改善しやすい

なお、マーベロンとトリキュラーは、どちらも避妊用の低用量ピルです。

正しく服用すれば、避妊率99%以上と高い避妊効果が期待できます。

Q.ピル1シートの相場は?種類によって値段は変わる?

低用量ピル1シートの値段相場は、保険適用外で2,000~3,000円です。

保険適用外月額
2,000〜3,000円
保険適用月額
1,000円以下

なお、ピルの種類によって保険適用の可否が変わるため、値段もそれぞれ異なります。

トリキュラーやマーベロンなど、避妊効果が期待できる低用量ピルは月額2,000~3,000円が相場。

一方、月経痛など生理に伴う不調を改善する目的の低用量ピルは、保険適用のため月額1,000円以下です。

▶保険適用のピルを見る

Q.低用量ピルとアフターピルの違いは?

低用量ピルとアフターピルの違いは、飲み方や服用のタイミングです。

低用量ピル・毎日決まった時間に飲む
・服用期間は効果が続く
アフターピル・避妊に失敗した際に飲む
・効果は数日のみ続く

低用量ピルとアフターピルは、どちらも妊娠を防ぐために服用するピルです。

低用量ピルは、毎日同じ時間に1錠服用することにより、継続的に避妊効果を得られます。

一方、アフターピルは、性行為での避妊に失敗した際に服用することで、一時的に避妊効果を得られる「緊急避妊薬」です。

Q.低用量ピルの種類によって避妊率は違う?

正しく服用すれば、どの低用量ピルを選んでも避妊率は99%以上です。

ただし、研究の結果、ピルの種類によって「パール指数(ピル服用中の100人の女性が妊娠する確率)」は異なることが判明しています。

名称パール
指数
マーベロン
(ファボワール)
0.085
トリキュラー
(ラベルフィーユ・アンジュ)
0.073
フリウェルLD
(ルナベルLD)
0.190

Q.低用量ピルの種類を変えるタイミングは?

副作用が数か月単位で続いたり、生理痛が治らなかったりする場合には、低用量ピルの種類を変えるのがおすすめです。

▼低用量ピルの種類を変えるタイミング

  • 副作用がつらい
  • 効果が得られない
  • 費用を抑えたい

低用量ピルの副作用は、2〜3か月ほど服用を続けると改善することが多いです。

そのため、副作用が出ていても、医師から2〜3か月は服用の継続を勧められることがあります。

なお、副作用がつらい場合は、痛み止めや吐き気止めを併用することも可能です。

【まとめ】低用量ピルの種類による違いは効果・副作用・値段など

低用量ピルは種類によって、効果・副作用・値段などが異なります。

「どのピルを選んだら良いかわからない」と悩んでいるなら、医師に相談するのがおすすめです。

産婦人科の医師ならあなたの悩みを聞いた上で、数あるピルの中から、ぴったりなピルを見つけてくれます。

最近では、LINEやアプリで医師に直接相談できるサービスも登場しているため、賢く活用してみましょう。

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・取扱ピル8種類以上
・ピルは月額2,980円
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・相談は何度でも無料
・ピルは月額4,125円

※税込み/自由診療※オンライン診療は医師の診療が必要となり、医師の判断によってはお薬を処方できない場合があります。

▼未承認医薬品等異なる目的での使用
医薬品医療機器等法において、低用量ピルはPMSやニキビ・肌荒れ、生理不順を改善する効果の承認を、マーベロンは月経困難症の改善に関する効果の承認を受けていません。またミニピルは避妊や生理に伴う不調の軽減(ノアルテン・ディナゲストは避妊のみ)、中用量ピルは月経移動の効果について、それぞれ承認されていません。
▼入手経路等
国内医薬品販売代理店経由
▼国内の承認医薬品等の有無
掲載したピルと同一成分で、PMSや生理不順の改善効果、月経移動の効果を有する他の国内承認医薬品等はありません。国内でニキビ改善の効果で承認されている内服薬にはビブラマイシンが、避妊効果が承認されている薬にはトリキュラーやマーベロンが挙げられます。
▼諸外国における安全性等に係る情報
悪心、頭痛、吐き気 、不正出血 、乳房の張り等のリスクがあります。
▼医薬品副作用被害救済制度について
万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。

▼画像出典